
中国語を勉強しているのに、全然話せるようにならない…
単語は覚えているのに、いざ会話になると言葉が出てこない…
独学でもスピーキング力って伸ばせるの?
こんなお悩みを解決します。
「どうしてこんなに勉強しているのに話せるようにならないんだろう…?」と感じること、ありますよね。
英語でも勉強はしたのに話せないという経験が多いように、話すための練習をしていないことが原因です。
でも安心してください!!
正しい順番で練習すれば、独学でも中国語は話せるようになりますよ。
この記事の前半では、初心者がスピーキングでつまずく理由と、「中国語脳」が育つ仕組みを解説。
後半では、今日から実践できる 4つの練習法を紹介しています。
紹介する流れに沿って練習すれば、「言いたいことがすぐ口に出てくる」「会話が止まらない」状態に近づき、スピーキング力がぐっと伸びていきますよ。


中国語をスムーズに話せるようになる脳の処理ステップを理解しよう


まず、中国語初心者とスムーズに話せる人の脳の処理の違いを解説しますね。
初心者は、中国語を話すときに日本語を経由してしまう
中国語を学び始めた人の多くは、中国語で話そうとすると日本語を経由しています。
これは脳が慣れている言語を使おうとする自然な反応です。
- 中国語で聞く
- 日本語に訳す
- 日本語で答えを考える
- 中国語に訳す
- 中国語で話す
中国語脳が育つ前は、このような流れになりますね。
スムーズに会話ができる人は日本語を経由しない
スムーズに会話ができる人は、日本語を挟まずに中国語を処理しています。
なぜなら、練習を続けることで脳が「翻訳しない回路 = 中国語脳」になるためです。
中国語脳になると、
- 中国語で聞く
- 中国語で考える
- 中国語で答える
という流れが自然にできるようになります。
「そんなふうに急に切り替わるの?」と不安に思う人もいるかもしれません。
ですが、この回路は特別な才能ではなく、誰でも練習で育てられるものなので、安心してください!



実際、僕も最初はずっと日本語経由で会話をしていましたが、ある日突然、日本語を経由するステップがなくなり、中国語ですぐに返せる瞬間が来ました。
この変化は必ず誰にでも訪れますよ。
なぜ中国語が話せない?スピーキングが伸びない3つの原因


ここでは、スピーキングが伸びにくい主な3つ理由を解説します。
① 発音・声調があいまいなまま話している
発音や声調があいまいだと、相手に正しく伝わらないだけでなく、自分の中でも不安が生じやすくなります。
とくに声調のずれは別の単語として受け取られてしまうことがあり、会話が噛み合わないことも多いんですね。
さらに、発音に自信がないと「間違えたら恥ずかしい…」という気持ちが先に立ち、口がなかなか動かなくなってしまいがちです。
こうした状態では、言いたい内容があってもスムーズに出てきません。
だからこそ、最初の段階では「完璧さ」よりも基本の発音の型をつかむことが大切です。
土台ができると自然と声が出しやすくなり、会話のハードルも下がっていきますよ。
② 言いたい内容(イメージ)を中国語に変換できていない
「言いたい内容を日本語で組み立ててから中国語に訳そう」としてしまいます。
日本語の文章をそのまま中国語に直そうとすると、語順も表現も大きく違うため、どうしても頭が混乱しやすいんですね。
本来は 「頭に浮かんだイメージを、短い中国語の文に置き換える」 という流れのほうが、ずっと言葉が出やすくなります。
たとえば、
- 人が多い → 人很多
- 今日はとても寒い → 今天很冷
- コーヒーを飲みたい → 我想喝咖啡
このように、まず場面のイメージをつかみ、それをそのまま簡単な中国語にするイメージです。
見たものや感じたことを、その場で短く中国語にしてみる練習を続けると、日本語を挟む時間が自然と減り、スッと口から出てくるようになりますよ。
③ インプットはあるが瞬発力(即答力)が足りない
「読めるのに話せない……」と感じる理由の多くは、瞬発力(即答力)が不足している点にあります。
単語や文法を理解していても、口に出す練習が少ないと会話ではなかなか使えないんですね。
読む力と話す力は別のスキルで、インプットだけでは自然に言葉は出てきません。
この差を埋めるには、短い質問に対して素早く返すトレーニングが効果的です。
何度も口を動かすことで反応が早くなり、「言われた瞬間に返せる状態」に少しずつ近づいていきますよ。
今日からできる中国語を話すための4つの練習方法


ここでは、中国語がスムーズに話せるようになるための4つの練習方法を紹介します。
今日から始められる内容なので、自分のペースで実践してみてくださいね。
① まずは「話したい内容」を日本語で整理する
いきなり中国語だけで話すのは、誰にとっても難しいものです。
まずは「日本語での下準備」をしておくことで、中国語に変換しやすくなり、スムーズに練習へ入れます。
ここでは、最初に取り組むべき整理方法を紹介しますね。
よく使う話題を日本語で書き出す(5テーマでOK)
最初のステップは、日常でよく話すテーマを日本語で書き出すことです。
いきなり中国語で文を作ろうとすると負荷が大きいため、まずは「話す内容の材料」を集めるイメージでOKです。
例としては、
- 仕事
- 趣味
- 家族
- 今日の出来事
- 食べ物
普段の会話で頻繁に登場する内容なので、スピーキングの練習材料として非常に使いやすいですよ。
長すぎる日本語はNG!
書き出した日本語が長すぎると、中国語に変換する際に難しくなります。
そのため、1文を15〜20字程度の短文にしましょう。
短い文ほど語順を整えやすく、単語も選びやすくなるので、初心者でもスムーズに中国語へ変換できます。
たとえば、
「今日は会社で上司に新しいプロジェクトの話を聞いた」
→「上司と話した」「新しい仕事を聞いた」
このようにスリム化することで、中国語の練習が格段に楽になります。
ChatGPTで日本語→中国語に変換してたたき台を作る
短い日本語文が用意できたら、ChatGPTに中国語へ変換してもらい、たたき台(例文)を作ります。
この段階では、完璧である必要はありません。
大事なのは、使える中国語の材料を増やすことです。
例文が増えると、自分だけの「よく使う中国語リスト」ができあがり、独り言トレーニングや瞬発力練習がとてもやりやすくなります。
まずは気軽に例文を集めていきましょう。
例:日本語 → 中国語(ChatGPTで作れるたたき台)
【趣味】
本を読むのが好きです。
簡体字:我喜欢看书。
繁体字:我喜歡看書。
よく音楽を聞きます。
簡体字:我经常听音乐。
繁体字:我經常聽音樂。
旅行が大好きです。
簡体字:我很喜欢旅行。
繁体字:我很喜歡旅行。
【今日の出来事】
今日はとても寒い。
簡体字:今天很冷。
繁体字:今天很冷。
仕事が忙しかった。
簡体字:今天工作很忙。
繁体字:今天工作很忙。
【食べ物】
コーヒーを飲みたい。
簡体字:我想喝咖啡。
繁体字:我想喝咖啡。
辛い料理が好きです。
簡体字:我喜欢吃辣的。
繁体字:我喜歡吃辣的。
昼ごはんをまだ食べていない。
簡体字:我还没吃午饭。
繁体字:我還沒吃午飯。
【家族】
家族と電話しました。
簡体字:我跟家人打了电话。
繁体字:我跟家人打了電話。
妹は学生です。
簡体字:我妹妹是学生。
繁体字:我妹妹是學生。
今日は家族と外食した。
簡体字:今天我跟家人出去吃饭。
繁体字:今天我跟家人出去吃飯。
【仕事】
会議があります。
簡体字:我有会议。
繁体字:我有會議。
明日仕事が多い。
簡体字:明天工作很多。
繁体字:明天工作很多。
新しい仕事を始めました。
簡体字:我开始了新的工作。
繁体字:我開始了新的工作。
② 発音の土台を作る
発音が安定すると、中国語のスピーキングは一気に楽になります。
なぜなら、音が正しく出せるだけで相手に伝わりやすくなり、自信をもって話し始められるようになるためです。
ここでは、最初に取り組むべき「発音の基礎」を整理して紹介しますね。
最初に押さえるべき発音の3要素(母音・子音・声調)
中国語の発音は母音・子音・声調の3つで成り立っています。
この3つのどれかがあいまいだと、相手に伝わりにくくなり、思った内容が届かないこともあります。
たとえば、
四声の例:
① mā
簡体字:妈
繁体字:媽
意味:お母さん
② má
簡体字:麻
繁体字:麻
意味:ごま/しびれる(麻痺の“麻”) など
③ mǎ
簡体字:马
繁体字:馬
意味:馬
④ mà
簡体字:骂
繁体字:罵
意味:しかる/ののしる
声調が変わるだけで意味が大きく変わりますよね。
最初から完璧を目指す必要はありませんが、よく使う単語の母音・子音・声調の形を理解するだけでスピーキングの土台が安定します。
母音・子音・声調について以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


ネイティブ音声を必ず準備して真似する
発音を身につける最も効果的な方法は、ネイティブ音声を真似することです。
テキストだけではどのような発音しているかが分からないため、音声の確認が欠かせません。
おすすめは、
- 辞書アプリの発音ボタン
- YouTubeのネイティブ教材
- 学習アプリ(HelloChinese / SuperChinese など)
「聞く → 真似する → 録音して比べる」という流れを繰り返すと、自分の癖や弱点が見え、発音がどんどん改善されます。
発音に自信がつくと、会話に出る勇気も自然と湧いてきますよ。
初心者向け 短文シャドーイングのやり方
シャドーイングとは、ネイティブ音声のあとに続けて声を出す練習法です。
初心者は、短くてシンプルな文から始めると取り組みやすくなります。
手順は次のとおり。
- 5〜7字程度の短文を選ぶ
- 音声を一度聞いて意味を理解する
- 音声のすぐ後に続けて声に出す
- 5回ほど繰り返す
- 最後に録音して聞き直す
例:
- 我今天很忙。
- 我喜欢喝咖啡。
- 他是我的朋友。



短文から口を慣らしていくと、会話で大切な声に出す感覚が育ちます。スピーキングの第一歩として、とても効果的ですよ!
ネイティブ音声が手元にない場合は「音読さん」が便利です。
自然な中国語読み上げをすぐ生成できるので、初心者でもすぐにシャドーイング練習を始められます。
③ 話せるようになる最強トレーニング3選
中国語を話せるようになるには、「声を出して練習する量」がとても重要です。
① 独り言 × 短文作成トレーニング
見たもの、したことを短い中国語にする練習は、もっとも効果が出る方法です。
たとえば、
- コーヒーを飲む → 我喝咖啡
- 今は仕事中 → 我在工作
のように、短い文を口に出していきます。
この練習を続けると、
- よく使う語彙が増える
- 文法の型が体にしみ込む
- 反射的に中国語が出てくる(即答力UP)
という3つの効果が得られ、会話力が一気に伸びていきます。



中国語で考えるクセが身につくため、初心者のブレイクスルーが起こりやすい方法です。
② 5W1Hで話を広げる
会話が止まってしまう原因は、「返事が一言で終わる」ことにあります。
そこで役立つのが 5W1H(誰が/いつ/どこで/何を/なぜ/どうやって)。
たとえば、「今日は走りました」と言いたい場合でも、
いつ?
→ 今天早上 / 今天早上
どこで?
→ 在公园 / 在公園
なぜ?
→ 因为想运动 / 因為想運動
どうやって?
→ 跑了三公里 / 跑了三公里
このように情報を足すだけで一気に話が広がります。
5W1Hは、中国語力よりも「整理力」を使うため、初心者でもすぐ効果を感じられる方法です。
③ クイックレスポンス練習(3秒以内に回答する)
「読めるのに話せない……」という悩みの多くは、瞬発力(即答力)不足が原因です。
3秒以内に返すクイックレスポンス練習が非常に効果的。
例:
好きな食べ物は?
→ 你喜欢吃什么? / 你喜歡吃什麼?
今日忙しかった?
→ 你今天忙吗? / 你今天忙嗎?
どこに行くの?
→ 你要去哪儿? / 你要去哪裡?
質問を聞いたら、考えすぎずにすぐ答えることがポイントです。
何度も繰り返すうちに反応が速くなり、「聞かれたら自然に口が動く」状態へ近づいていきますよ。
④ 継続できる人だけが伸びる!習慣化のコツ
中国語のスピーキングは、短時間でも毎日続けることが上達の近道です。
毎日10分だけでも続けていくことで、スピーキング力はしっかり育っていきますよ。
ここでは、無理なく続けられる3つの習慣化テクニックをご紹介しますね。
① 間違いを恐れない
中国語を話すとき、「間違えたら恥ずかしい……」と思う気持ちは自然です。
しかし、この気持ちがスピーキング力向上の大きなブレーキになります。
むしろ、間違いは上達の材料です。
声に出すたびに発音や語順が整い、返答のスピードも上がっていきますよ。
② 10分タイマーでやる気に依存しない仕組みを作る
「やる気が出たら練習する」と決めると、どうしても習慣化しにくくなります。
そこでおすすめなのが、10分タイマーを使った方法です。
短時間で区切ることで始めやすくなり、「今日はこれだけでOK」と気持ちが楽になります。
継続のハードルを下げることが、伸びる人の共通点なんですよ。
③ 音声メモで成長を可視化する
自分の声を録音しておくと、成長が目に見える形で分かります。
以前より発音が安定していたり、返答が早くなっていたりと、小さな変化に気づけるんですね。
成長が見えるとモチベーションも続きやすくなります。
スマホ一つでできるので、ぜひ取り入れてみてください。
中国語スピーキングに役立つアプリ・教材まとめ


スピーキング力を効率よく伸ばすためには、アプリや教材を上手に使うことが大きな助けになります。
ここでは初心者でも使いやすく、学習効果の高いものを厳選して紹介します。
① アプリ
Super Chinese
AIによる発音チェックが魅力のアプリです。
声調のズレも細かく教えてくれるため、独学でも正しい発音に近づきやすくなります。
短い対話形式の練習も多く、スピーキングの基礎を固めたい人にぴったりですね。
ゲーム感覚で進むので、毎日続けやすい点も強みです。
HelloChinese
初心者に特に人気のアプリです。
文法・単語・発音の練習がバランスよく入っており、「学んだ内容をすぐ声に出す」流れが作られています。
録音して発音を比べる機能もあるため、自分の弱点に気づきやすいのが特徴です。
1日5〜10分の学習にも向いていますよ。
Quizlet
単語暗記アプリですが、スピーキング練習と相性が非常に良いツールです。
理由は、自分用の単語帳を作り、その中国語を見て「3秒以内に口に出す」即答練習に使えるためです
覚えた単語を会話で使う力が身につくので、アウトプット強化に最適ですね。
教材
口を鍛える中国語作文(初級/中級/上級)
短い文をどんどん作ることで、話す力が自然と伸びるシリーズです。
日本語 → 中国語 の変換練習が豊富で、即答する力(瞬発力)を鍛えるのに最適な教材といえます。
独学でも使いやすく、1日1ページの積み重ねだけでも効果が出やすいですよ。
瞬訳中国語
初心者でも使いやすい構成で、短文をテンポよく中国語に直す練習ができます。
会話で必要な語順や言い回しがくり返し登場するため、中国語で考える回路を作りやすい教材です。
スピーキングの基礎を固めたい人に向いています。
よくある質問(初心者が疑問に思いやすいポイント)
ここでは、スピーキングについてのよくある質問を紹介します。
独学でもスピーキングは伸びる?
結論として、独学でも十分伸ばせます。
理由は、スピーキングに必要なのは「口に出す回数」であり、必ずしも相手がいなくても練習できるためです。
たとえば、独り言、短文シャドーイング、クイックレスポンスなどは、すべて一人で取り組めます。
もちろん、ネイティブと話す機会があればさらに伸びやすいですが、独学だけでも会話の基礎はしっかり作れるので安心してくださいね。
発音が苦手でも大丈夫?
結論として、大丈夫です。
中国語の発音は、正しい方法で練習すれば誰でも安定させることができます。
声調や子音・母音は最初こそ難しく感じるものの、短い単語や簡単な文をくり返し真似していくと、少しずつ聞き取りやすい発音に変わっていきますね。
今はアプリや音声サービスで自然な中国語をすぐ再生できるので、独学でも基礎づくりは十分に可能ですよ。
ネイティブと話さなくても上達できる?
はい、できます。
ネイティブと話す経験は確かに貴重ですが、上達の決め手は「練習量」です。
独り言や短文の即答練習を毎日続けるだけでも、返答のスピードや文の組み立てが大きく変わります。
ただし、余裕が出てきたらオンライン会話を試すのもおすすめです。
「通じた」「通じない」の感覚が得られ、学習のモチベーションにもつながりますね。
HSK/中検の勉強はスピーキングに役立つ?
間接的には役立ちます。
語彙力や文法の理解が増えるので、中国語を話すときの土台が強くなるためです。
ただし、資格勉強だけではスピーキングは伸びにくいという特徴があります。
話せるようになるには、資格勉強+声に出す練習を組み合わせることが大切です。
両方を取り入れることで、「知っている中国語を実際に使える中国語」に変えることができますよ。
まとめ:中国語のスピーキングは「毎日の積み重ね」で必ず伸びる
中国語をスムーズ話せるようになるための一番のポイントは、日本語を経由せずに「中国語のまま理解・思考・返答する回路(中国語脳)」を育てることです。
中国語脳を育てる4つの練習です。
どれも特別な才能は必要ありません。
正しい方法で、シンプルな練習を積み重ねるだけで、中国語は必ず話せるようになりますよ。



焦らず、マイペースで続けてみてくださいね。




