
中国語のリーディング力を上げたいけど、どうやって伸ばせばいい?
このような疑問にお答えします。
「中国語の文章が読めない…」「単語は分かるのに、文になると意味がつかめない…」 「読むスピードを上げたいけど、勉強法がわからない」
実際同じ悩みを持つ人は少なくありません。
本記事では、初心者でも実践しやすい方法でリーディング力を伸ばす手順を解説します。
私自身も同じ手順を継続した結果、ニュースや会話文をスムーズに読めるようになり、 リーディングに伴ってリスニングとスピーキングも自然に向上しました。
この記事を読み終えるころには、何から始め、どう進めれば着実に伸ばせるかが明確になりますよ。
ぜひ最後までじっくり読み進めてくださいね!
中国語のリーディング力とは?
中国語のリーディング力とは、文字を読むだけでなく、文章の意味を理解する力のことです。
「単語を知っていても、文になると意味がつかめない」そんな経験はありませんか?
それは「読む力」と「理解する力」がまだつながっていない状態なんですね。
リーディング力を身につくと、ニュース記事や会話文、試験問題などを「単語の並び」ではなく「意味のまとまり」として理解できるようになります。
さらにリーディング力が上がることで、リスニング・スピーキング・ライティングといった他のスキルも一緒に伸びていきますよ。
「読む」だけでなく「理解する力」が大切
「漢字を見て読める=意味がわかる」とは限りません。
文字を追うだけでは、文の意図や感情、細かなニュアンスまでは理解できないんです。
たとえば次の文を見てみましょう。
他去北京了。
単語の意味をそれぞれ知っていても、「彼/行く/北京/了」では文全体の意味がつかめませんよね。
でも、文法と語順を理解すれば、「彼は北京へ行った」という自然な意味として読めるようになります。



リーディング力を伸ばすには、「漢字を読む」だけで満足せず、「文を理解する力」へ意識をシフトすることが大切なんですよ。
中国語のリーディング力を構成する3つの要素
中国語のリーディング力は、以下の3つの要素から成り立っています。
どれか一つだけを伸ばすのではなく、バランスよく鍛えることが上達の近道です。
①語彙力:単語の意味を正確に理解する
語彙力はリーディングの基礎です。
単語帳で意味を覚えることも大切ですが、実際の文章の中でその単語がどのように使われているかを理解することが重要です。
たとえば「意思(意味)」という単語も、「什么意思?(どういう意味?)」などの文中で出てくると、より自然に理解できます。
文章の中で単語の使われ方を意識すると、読解スピードもグッと上がりますよ。
②文法理解:文の構造を把握する力
中国語は、日本語とは語順が異なる言語です。
そのため、「主語+述語+目的語」という基本構造を理解しないまま読むと、「誰が」「何をしているのか」が分からなくなってしまいます。
たとえば「我给你打电话。」を単語だけで追うと「私・あなたに・かける・電話」となりますが、構造を理解すれば、「私はあなたに電話をかける」という意味がはっきりわかりますよね。
このように、文構造を意識して読むことで、長文でも迷わず意味を追えるようになりますよ。
③文脈把握:前後のつながりから意味を推測する力
分からない単語があっても、前後の文脈から意味を推測する力があれば、全体の流れを止めずに読み進められます。
たとえば、「他笑了。」という一文があったとします。
「他笑了。」の前に「朋友送了他礼物。」(友達が彼にプレゼントをあげた)と書かれていたら、「彼は笑った=うれしかった」と自然に理解できますよね。
このように、単語だけに頼らず、文全体の流れで意味をつかむことができると、中国語の文章をよりスムーズに理解できるようになりますよ。
中国語リーディング力を上げる3つの学習法
中国語初心者がリーディング力を上げるための、基本となる3つの学習法を紹介します。
まずはこの3つを押さえておけば大丈夫です。
それぞれの特徴や進め方を、初心者にも分かりやすく説明していきますね。
精読・多読・音読のメリット・デメリット一覧
| メリット | デメリット | |
| 精読 | ・中国語を今までより深く理解できる ・文法の仕組みを理解できる ・語彙量が増える | ・読解スピードは上がりにくい ・文章の全体像をつかみにくい ・文脈で意味を推測する力が育ちにくい |
| 多読 | ・中国語に慣れやすい ・全体で内容を把握できる ・読むスピードが上がる | ・単語量はあまり増えない ・内容理解が浅くなりやすい ・文法理解が曖昧なまま読み進めてしまうことがある |
| 音読 | ・発音、リズムが自然に身につく ・リスニング力が上がる ・語順を前から理解できるようになる | ・発音にクセがつくことがある ・静かな場所では練習しにくい ・文法や語彙の理解そのものは深まりにくい |
精読:文構造を丁寧に理解して読む
精読は、読解の「質」を上げる学習法です。
1文ずつ、「主語」「述語」「目的語」を意識しながら、語のつながり方を確認します。
分からない箇所は放置せず調べ、自分の言葉で説明できるかを基準に理解度をチェック。
短い会話文で「どこが動作か」「この語はどんな意味・役割か」を丁寧に確認しましょう。
最初は1日1文でもOK。
焦らず続ける習慣が、リーディング力をのばします。
多読:量をこなして読むスピードと語彙を伸ばす
多読は、「量」をこなすことでリーディング力を上げる学習法です。
一文一文を完璧に理解することよりも、たくさんの文章にふれることを目的にします。
最初は、すべての単語や文法の意味がわからなくても大丈夫。
「だいたいこういうことを言っているのかな?」と流れをつかむだけでOKです。
多読をするときは、辞書を使わずにテンポよく読み進めましょう。
分からない単語が出てきても止まらず、前後の文脈から意味を推測してみてください。
教材の短文やSNSの投稿、ニュースアプリなど、興味のある内容を選ぶのがコツです。



好きなテーマを読むほうが、続けやすく、自然と読むスピードも上がりますよ。


音読:声に出して読むことで理解を定着させる
音読は、読む力と理解力をつなげる最も効果的な学習法です。
声に出して読むことで、目・耳・口を同時に使うため、記憶に残りやすく、理解も深まります。
文字を目で追うだけでは、文の流れやリズムをつかみにくいものです。
さらに、音読を続けるうちにリスニング力やスピーキング力も一緒に伸びていきます。
音声付きの教材を使うのがオススメですね。
正しい発音やリズムを耳で確認できるので、自分の発音との違いが分かりやすくなります。
効果的な音読の手順
- まず、テキストを見ながら一度文章を読んでみましょう。
- 次に、テキストを見ながら音声を聞いてリズムをつかみます。
- 音声と一緒に声を出して読みます。
- 最後に、テキストを見ずに読んでみましょう。
自分の音読を録音して聞き返すのも効果的です。



発音のクセや上達の変化に気づけるので、モチベーション維持にもつながりますよ。
音読のコツは、「意味を理解しながら声に出すこと」。
機械的に読むのではなく、「今どんなことを言っているのか」を意識してみてくださいね。
変な発音のクセをつけたくない人は、まずオンラインで発音の練習をするのもオススメです。


中国語リーディング力を伸ばすオススメ教材・アプリ
リーディング力を伸ばすには、自分のレベルに合った教材やアプリを選ぶことが大切です。
難しすぎる教材では続きませんし、簡単すぎても成長しません。
ここでは、初心者でも無理なく学べるオススメ教材と、スマホで手軽に学べるアプリをご紹介します。
①教材
紙の教材を使った学習は、文章をしっかり理解する力を鍛えるのに効果的です。
手を動かして調べたり、メモを書いたりすることで、内容がより深く定着します。
教材には語彙・文法・文脈がバランスよく組み合わされているため、
- 読む
- 理解する
- 確認する
の流れを一冊で完結できるのが大きなメリットです。
初心者の方は、以下のような教材から始めるのがおすすめです。
中検やHSKの過去問題集を活用する
検定試験の過去問題集は、実践的なリーディング練習に最適です。
出題文は、実際の会話やニュース文に近い自然な中国語で構成されており、試験対策だけでなく「読解力の底上げ」にもつながります。
中国語検定(中検)3級やHSK3〜4級レベルの問題集を使うと、単語・文法・内容理解のバランスを取りながらの学習が可能。
特に設問文や選択肢の中国語を丁寧に読むことで、実際の読解スピードも向上します。
「試験勉強=読解練習」と考えると、学習のモチベーションも維持しやすいですよ。
リーディング力を上げる本
短い文章を多く読める教材がオススメです。
長文に挑戦する前に、まずは「短文で正しく理解する力」を育てることが大切。
一文一文の構造をしっかりつかめるようになると、難しい文章を読んでも意味の流れを追いやすくなります。
たとえば、以下のような本がリーディング練習にオススメです。
どの本も、「読む力」を伸ばしながら文法や単語の使い方を自然に身につけられる内容です。



無理に難しい本を選ぶより、理解できるレベルの文章をたくさん読むほうが効果的ですよ。
②スマホで使える無料アプリ
スマホアプリを使えば、スキマ時間でも中国語のリーディング練習ができるようになります。
通勤・通学の合間や休憩中など、ちょっとした時間の活用が可能です。
オススメのアプリは以下です。
①Du Chinese
レベル別に記事を選べる人気アプリです。
ピンイン・日本語訳・音声がすべてセットになっているので、リーディング初心者でも安心して使えます。
内容は日常会話・文化・旅行・仕事など幅広く、1記事あたり3〜5分で読める短さ。
「まずは1日1記事読む」だけでも、読むスピードと語彙力が少しずつ伸びていきます。
②The Chairman’s Bao
ニュース記事形式で学べるアプリです。
実際の時事ニュースや社会トピックを、中国語学習者向けにわかりやすく書き直してくれています。
記事はHSKレベルごとに分類されており、自分のレベルに合った内容を選べるのが便利。
「生きた中国語」にふれることができるので、語彙の使い方や文の流れをリアルに学べます。
ニュースを読む感覚で勉強できるので、飽きにくいのも特徴です。
③ChinesePod/HelloChinese
リスニングとリーディングを一緒に鍛えたい人におすすめです。
ChinesePodは会話形式のスクリプトを読めるので、発音や会話表現をリーディングしながら身につけられます。
HelloChineseは、音声認識を使った発音練習も可能。
クイズ形式の短文読解や単語チェックもあり、ゲーム感覚で続けられます。
どちらも「読む・聞く・話す」をバランスよく練習できるアプリです。
中国語リーディング力が伸び悩む人に多い3つの原因
リーディングを続けているのに「なかなか読めるようにならない…」と感じる人も多いですよね。
その原因は、実は勉強量の問題ではなく、「学び方」にあります。
ここでは、伸び悩む人に共通する主な3つの原因です。
①単語だけ覚えて文全体を理解していない
単語の意味をたくさん覚えても、文全体の流れを理解できないと読解力は上がりません。
たとえば、「我 去 北京 了」という文も、単語だけ知っていても「彼・行く・北京・了」と単語の並びに見えてしまいます。
リーディングで大事なのは、「単語を並べて訳す」ことではなく、文全体の意味のつながりを理解することです。
単語学習だけに偏らず、文の構造や語順も意識して読むようにしましょう。
②文法を感覚で読もうとしている
「なんとなくこういう意味かな?」という感覚読みも伸び悩みの原因です。
中国語は日本語と語順が違うため、感覚で読むと意味を取り違えてしまうことがあります。
特に「誰が」「何を」「どうした」を正しく捉えることが大切です。
1文ずつ主語・述語・目的語を意識しながら読むだけでも、文法理解がぐっと深まり、正確に意味を取れるようになりますよ。
③読む量・反復回数が足りない
中国語のリーディングは、「慣れ」と「反復」で伸びていく学習です。
1度読んだだけでは意味がつかめなくても、2回、3回と繰り返すうちに、語順のリズムや表現のパターンが自然と身についていきます。
読む量が少ないと、知らない単語や文型に出会う機会も限られてしまうもの。



短い文章でもいいので、「毎日読む」ことを意識して積み重ねていきましょう。
中国語リーディング学習で意識すべき2つのポイント
リーディング力を伸ばすうえで大切なのは、正しい意識で学習を続けることです。
間違った方法で続けてしまうと、時間をかけても成果が出にくくなってしまいます。
ここでは、初心者が特に意識しておきたい2つのポイントを紹介します。
①「読める」と「理解している」は別もの
中国語の文をスラスラ読めるようになっても、内容を正しく理解できていないケースは意外と多いものです。
たとえば、読んだ文章を日本語でしっかり説明できない場合には、理解がまだ表面的な段階です。
大切なのは、「読むスピード」よりも「意味を理解する深さ」。
1文ずつ「この文は何を伝えているのか?」を意識して読むことで、本当のリーディング力が身についていきます。
焦らず、「読めた=理解できた」ではないことを常に意識しましょう。
②あせらず少しずつステップアップすること
リーディング力は、短期間で一気に伸びるものではありません。
焦って難しい文章に挑戦しても、理解できずに挫折してしまうことがあります。
まずは、自分のレベルに合った短文から始めるのがコツです。
1文1文をしっかり理解できるようになると、自然と次のレベルの文章も読めるようになります。
たとえ1日5分でも、毎日続けることが大切です。
リーディングは「積み重ねの学習」。



今日の1ページが、半年後の大きな成長につながりますよ。
中国語リーディング力が伸びるまでの目安期間
中国語のリーディング力は、毎日の積み重ねで確実に伸びていきます。
ただし、「どのくらいで読めるようになるんだろう?」と気になりますよね。
ここでは、初心者がステップアップしていくまでのおおよその目安を紹介します。
基礎文法を理解するまで:約3か月
まず最初の3か月は、基礎文法と語順をしっかり身につける時期です。
この段階では、まだスラスラ読めなくても大丈夫。
主語・述語・目的語の位置を確認しながら、短文を正確に理解する練習を続けましょう。
精読を中心に学習すると、文の構造を自然に理解できるようになります。
1日5〜10分でも「毎日触れる」ことを意識すると、少しずつ読むスピードが上がっていきますよ。
ニュースや会話文を読めるようになるまで:約6〜12か月
基礎文法に慣れてくると、6〜12か月ほどでニュースや会話文も読めるようになります。
この時期は、多読を取り入れて「読む量」を増やすのがポイントです。
完璧に理解しようとするより、全体の流れをつかむ練習を重ねましょう。
半年を過ぎるころには、簡単な物語やニュース記事なら内容をつかめるようになり、「読むのが楽しい」と感じる瞬間が増えていきます。
リーディング力を伸ばす期間を短くする
「ニュースや会話文を読めるようになるまでに、6〜12か月もかかるの?」そう感じた方もいるかもしれません。
でも安心してください。
毎日少しでも中国語に触れる時間を増やせば、この期間を短くすることも十分可能です。
たとえば、通勤中にアプリで1記事読む、寝る前に短文を音読するなど、1日5〜10分の積み重ねでも確実に力になります。
ポイントは「毎日読む習慣を作ること」。



学習のリズムができると、語彙や文法がどんどん定着し、数か月後には「前より読めるようになった!」と実感できるようになりますよ。
まとめ:中国語リーディング力は「文法理解×反復」で確実に伸びる
今回は、中国語のリーディング力を伸ばしかたを紹介しました。
中国語を学び始めてからリーディング力が伸びるのは時間がかかるものです。
しかし、毎日10分でもコツコツと中国語に触れることで少しずつ「読む力」は確実に育っていきます。
焦らず続けることが何より大切です。
続けていくうちに、「あ、前より読めるようになってる!」と感じられる日がきっと来ますよ。





